浮気

娘の誕生日をすっぽかし家を出ていく夫…【8話】

 

15分ほどで目的地に着いた。

 

娘の年齢には

似つかわしくないスナックだ。

 

娘が乗っていたと思われる

タクシーが、清算モードから

切り替わって

出発したところだったので、

それほど

遅くはなっていないはず。

 

入口が少し開いていたので、

私はこっそりと中を伺った。

 

「子どもがこんな場所に

来るもんじゃない!」

 

シズク

「ふぅん。

仕事って、開店前のお店で

女の人と2人きりでお酒を

飲むことだったんだねぇ」

 

「それのどこが悪い。

 

お前ももう、中学生なんだし、

親離れしたらどうなんだ」

 

シズク

「そうだね。

お母さんは必要だけど、

お父さんは要らないかも」

 

「!!」

 

シズク

「安心して。

私は1人で来たから。

 

お父さんが浮気してるって

知ったら、

お母さんが悲しむもん」

 

レナ

「やだ~。

シズクちゃんw

 

浮気だなんて言葉、

どこで覚えたのよ~。

私とお父さんは

ただのお友達だよ~」

 

「そもそも、

そんな証拠もないだろう。

いい加減なことを

言って大人を困らせるな」

 

シズク

「証拠もなしに

こんな事を言うとでも思う?」