15分ほどで目的地に着いた。
娘の年齢には
似つかわしくないスナックだ。
娘が乗っていたと思われる
タクシーが、清算モードから
切り替わって
出発したところだったので、
それほど
遅くはなっていないはず。
入口が少し開いていたので、
私はこっそりと中を伺った。
夫
「子どもがこんな場所に
来るもんじゃない!」
シズク
「ふぅん。
仕事って、開店前のお店で
女の人と2人きりでお酒を
飲むことだったんだねぇ」
夫
「それのどこが悪い。
お前ももう、中学生なんだし、
親離れしたらどうなんだ」
シズク
「そうだね。
お母さんは必要だけど、
お父さんは要らないかも」
夫
「!!」
シズク
「安心して。
私は1人で来たから。
お父さんが浮気してるって
知ったら、
お母さんが悲しむもん」
レナ
「やだ~。
シズクちゃんw
浮気だなんて言葉、
どこで覚えたのよ~。
私とお父さんは
ただのお友達だよ~」
夫
「そもそも、
そんな証拠もないだろう。
いい加減なことを
言って大人を困らせるな」
シズク
「証拠もなしに
こんな事を言うとでも思う?」