シズク
「お母さん、
まだ寝ないの?」
私
「うー…ん、もう少しだけ」
シズク
「もう休んだ方が
いいよ。どうしても
寝ないって言うんなら、ホラ」
と、私に缶チューハイを
渡してきた。
私はお酒が好きだけれど
そんなに強くない。
私
「え、でも、シズクの
誕生日の準備もあるから、
明日は寝坊できないのよ」
シズク
「いいじゃん、
そんなの。それに、お母さんは
目覚まし時計が鳴れば、
パッて起きるタイプじゃん」
そう笑って、娘は
果肉入りのぶどうジュースの
蓋を開けた。
私も缶チューハイの蓋を
開けて口をつける。
久しぶりのアルコールに、
心がふわふわと浮ついた
気持ちになった。
その後は女2人で話に
花を咲かせた。
内容はあまり覚えていない。
ただ、娘が
シズク
「ねえ、お母さんは
今幸せ?」
と真剣な眼差しで
尋ねてきた事だけは
ハッキリと覚えている。
私は何と答えただろうか。
シズク
「お母さん、お母さん。
ここで寝ると風邪ひくよ」
私は船を漕いでいたようだ。
娘に揺り動かされてぼんやりと
意識が浮上する。