浮気

娘の誕生日をすっぽかし家を出ていく夫…【5話】

 

まだスマホを

買い与えていないため、

私のを良く貸すのだ。

 

「今どきの子は何でも

テキパキできちゃうのね~」

 

シズク

「必要だからね~。

友達は家の人に任せてる子も

多いみたいだけど、

それだと何でも親に

筒抜けだしね~。

 

あ、でも私は

隠し事なんてないから、

こうやってお母さんの

スマホとも連携させたよ。

 

はい、スマホ返すね」

 

シズクは

サラリと言ってのけた。

 

けれど、その言い分だと夫に

隠し事があるように聞こえる。

少し引っかかったが、

夫の衝撃的な行動を

目の当たりにして、

すっかり忘れてしまった。

 

その行動とは、

夫が帰宅しなくなったことだ。

 

娘にプレゼントを買い与えた

夫は、次の日から

家に帰ってこなくなった。

 

メールやLINEも、

電話もすべて無視。

 

それでも馬鹿な私は夫の身を

案じて深夜2時3時になっても、

夫を待ち続けていた。

 

そんな毎日が続き、

私は寝不足になっていた。

娘が心配してくれるが、

それにも

 

「大丈夫だから」

 

とだけ答えていた。

 

娘の誕生日の前日も、

同じように深夜に布団に

入らず夫の帰りを待っていた。

そろそろ2時という所で、

娘が2階から降りてきて

私の隣に座った。