まだスマホを
買い与えていないため、
私のを良く貸すのだ。
私
「今どきの子は何でも
テキパキできちゃうのね~」
シズク
「必要だからね~。
友達は家の人に任せてる子も
多いみたいだけど、
それだと何でも親に
筒抜けだしね~。
あ、でも私は
隠し事なんてないから、
こうやってお母さんの
スマホとも連携させたよ。
はい、スマホ返すね」
シズクは
サラリと言ってのけた。
けれど、その言い分だと夫に
隠し事があるように聞こえる。
少し引っかかったが、
夫の衝撃的な行動を
目の当たりにして、
すっかり忘れてしまった。
その行動とは、
夫が帰宅しなくなったことだ。
娘にプレゼントを買い与えた
夫は、次の日から
家に帰ってこなくなった。
メールやLINEも、
電話もすべて無視。
それでも馬鹿な私は夫の身を
案じて深夜2時3時になっても、
夫を待ち続けていた。
そんな毎日が続き、
私は寝不足になっていた。
娘が心配してくれるが、
それにも
私
「大丈夫だから」
とだけ答えていた。
娘の誕生日の前日も、
同じように深夜に布団に
入らず夫の帰りを待っていた。
そろそろ2時という所で、
娘が2階から降りてきて
私の隣に座った。