浮気

家の中がなにかおかしい… 【13話】

 

真相を知った夫は、

 

「あ、そうなの…
 
なんだぁ、誤解かぁ」

 

と、拍子抜けした様子で

一人だけスッキリとした

顔をしていた。

ムカついた私は、

 

「じゃ、離婚ね」

 

と誤解が解けたところで夫に宣告した。

 

「な、なんでだよ!?
 
きちんと誤解も解けたのに?」

 

私から離婚を告げられるとは

思っていたなかった様子。

 

「誤解は解けても、
 
あなたが浮気をしたことは
 
なかったことにはならないわ。

 

あなたとは離婚をするし、
 
慰謝料も請求します。
 
もちろん、相手の女性にも」

 

夫はガックリと膝をついて

項垂れてしまった。

 

私はこの日のために

用意しておいた離婚届を

夫に書いてもらい、

翌日には義実家を出た。

 

義両親には良くしてもらったし、

別れ際はお互いに寂しくはあったけど、

2人とも私の門出を祝ってくれた。

 

離婚届を書きたくないとゴネる夫を

ねじ伏せてくれたのも義両親。

2人には何から何まで

お世話になりっぱなしだった。

 

最後に義母と抱擁を、義父とは

握手を交わしてお別れをした。

 

私の荷物を運ぶのを手伝いに

両親が車で迎えに来てくれた。

私は車中から

義両親の姿が見えなくなるまで

手を振っていた。