浮気

家の中がなにかおかしい… 【10話】

 

「父さんと母さんにも

慰謝料は請求するからな!
 
…ったく、呆れて物が言えないよ!」

 

と、かなり口数が多い。

 

あれっ?

物が言えないって言ってたけど

物を言ってるよね?

…という突っ込みは多分、

してはいけないのだろう。

 

私達は本当に

お腹がよじれるくらいにおかしくて、

笑いが止まらなくて大変だった。

 

「バ…バッカみたい…
 
ふひひひひ」

 

しばらくして私はようやっと、

まともな言葉を話すことができた。

 

義父

「ほ、本当に信じるとは(笑)」

 

義母

「ちょ、これ以上
 
笑わせないで!腰に響く…!」

 

義両親もようやく話せる程度には、

笑いが収まってきたようだった。

ここでようやっと、夫は

自分が私と義両親に

騙されたことに気づいた。

 

「な、なんなんだよ、お前ら…。
 
なんでこんな質の悪いことを」

 

悔しそうに歯嚙みする夫に、

私は出張先の浮気の証拠を突き付けた。

 

「質が悪い、ねぇ?
 
あれれェ~?
 
これは何だろうねぇ~?」

 

その瞬間、夫の顔色が

茹でダコからイカのように

白くなったので、

また笑いそうになった。