今度は義父が言葉を受け取る。
義父
「息子が浮気をしているんじゃないかと、
私たちは思っている」
あ、それで夜のことを聞いたのね、
と私は納得した。
聞き方があるとは思うが、
こんな状況だし、
仕方がないことだろう。
私
「やっぱり出張先に
そういう女性が
いるんでしょうかねぇ…」
ちょっとしんみりした口調で
零してしまった。
義母
「最近、あの子、急に
帰って来なくなったでしょ?
あの子って昔から
そういう所があったのよ」
私
「そういうところ…ですか?」
義母
「昔ね、【絶対に
自分で世話をするから】
ってあの子がねだって
可愛がっていた金魚がいたのよ。
でもね、ある日突然、興味をなくして
ハムスターを飼いだしたわ。
【命があるものなのに!】
って叱ったんだけどねぇ」
義父
「息子は熱しやすく
冷めやすいタイプでね。
新しく夢中になると、
それまで大切にしていたものも
平気で放り出す悪癖があるんだ」
よくよく話を聞いてみると
モノや動物だけでなく、
付き合う女性も…だそうだ。
義母
「キヌ子ちゃんと結婚してからは、
そんな様子はなかったから
安心してたんだけど…」