浮気

家の中がなにかおかしい… 【6話】

 

今度は義父が言葉を受け取る。

 

義父

「息子が浮気をしているんじゃないかと、
 
私たちは思っている」

 

あ、それで夜のことを聞いたのね、

と私は納得した。

聞き方があるとは思うが、

こんな状況だし、

仕方がないことだろう。

 

「やっぱり出張先に
 
そういう女性が
 
いるんでしょうかねぇ…」

 

ちょっとしんみりした口調で

零してしまった。

 

義母

「最近、あの子、急に
 
帰って来なくなったでしょ?
 
あの子って昔から
 
そういう所があったのよ」

 

「そういうところ…ですか?」

 

義母

「昔ね、【絶対に
 
自分で世話をするから】
 
ってあの子がねだって
 
可愛がっていた金魚がいたのよ。

 

でもね、ある日突然、興味をなくして
 
ハムスターを飼いだしたわ。
 
【命があるものなのに!】
 
って叱ったんだけどねぇ」

 

義父

「息子は熱しやすく
 
冷めやすいタイプでね。
 
新しく夢中になると、
 
それまで大切にしていたものも
 
平気で放り出す悪癖があるんだ」

 

よくよく話を聞いてみると

モノや動物だけでなく、

付き合う女性も…だそうだ。

 

義母

「キヌ子ちゃんと結婚してからは、
 
そんな様子はなかったから
 
安心してたんだけど…」