誰だかわからないけれど、
私を監視している人がいる。
そう思いながら掃除をするふりをして、
家中のカメラを捜索したところ
脱衣所、キッチンに1つ、
私の寝室に3つ、義両親の寝室に3つ、
居間に2つのカメラを発見した。
そして私のお気に入り
某クマのぬいぐるみもチェック。
明らかに素人の手によると思われる
縫い目を発見した。
公式の店舗で購入した物だし、
こんなパチモンみたいな縫製は
ありえない。しかも、
少し押すとゴリゴリした感触。
ほぼ確実に盗聴器だ!
これは異常事態だと思った私、
義両親にねだって夕食を
外食で済ませることにした。
カメラの仕込み数から考えて、
ぬいぐるみ以外にも
盗聴器が仕込まれているに決まっている。
家でその対策なんて話せるわけがない。
義両親も何かを察したのか、
その日は個室のある中華料理店へ。
私
「実は…」
と私が口を開きかけたところ
義父
「キヌ子ちゃん、
もしかして隠しカメラのことかい?」
と義父が先に口を切った。
私
「どうしてそれを…?」
義母
「実は私達もね、
寝室のカメラに
気づいたところだったのよ。
どうやってキヌ子ちゃんに
打ち明けようかと
思っていたところだったの」