トウ子
「そういう問題じゃ
ないんだけど…」
タカシ
「毎日わざわざ
来てくれている母さんに
感謝するなら分かるけど
けむたがるなんて…
ひどすぎない？」
結婚当初から夫の
母親が一番！
という態度は気に
なっていたが、
母親を大切にしているのは
いいことだろうと
言い聞かせていた。
けど、困っている
嫁の話もろくに聞かずに
母親の肩をもつとか…
私とお義母さんが
喧嘩したとしても
夫は迷うことなく
お義母さんの味方をする。
そう思うと夫への愛情が
冷めていくのを感じた。
夫から断りを入れても
義母はお構いなしに
やってくるであろう。
次第に、夫は
散らかっているのが嫌なのか
他に理由があるのか…家に
帰らない日が増えてきた。
夫が家にいなくても
私たちはいつもと
変わらない
毎日を過ごしていた。
土日は子ども達が
義母の相手をしてくれるので
家事が捗る。
子どもたちの方が
よっぽど頼りになる存在だ。
今のうちにと思い
家事をしていると突然お腹に
鈍い痛みが走った。
トウ子
「いたたたたたた」
思わずしゃがみ込むと
すぐに子どもたちが
心配そうに
駆け寄ってきてくれた。
子どもたちの顔をみると
自然と痛みも少しやわらぐ。
