オトハ
「ママ…、ママぁ!」
オトハが半泣きで
私の後ろから抱き着いてきた。
弁護士
「どこからどう見ても、
お2人は親子ですよ」
ポツリと弁護士が呟いた。
一方で夫は何も
言えなくなって俯くばかり。
私
「私はオトハと一緒に
実家に1度、帰るわ。
この家は私の両親が
用意してくれて
名義も私になってるの、
忘れてないよね?
1週間を目処に出ていって」
夫
「おい、そんなのって
ひどいじゃないか」
夫は何かブツブツ
言っていたけど、
無視して実家へ。
最後に夫の私物以外の
物を持ち出したり、
壊したりしたら弁償させると
強く言い含めた。
離婚成立後、夫に勝手に
使われたお金はサッサと
返って来たし、
慰謝料の300万も満額ゲット。
夫が見栄を張って借金して
作ったお金らしい。
その返済もあって、夫は単身、
木造で風呂トイレ別の
ボロアパートで
わびしい1人暮らし中。
復縁を迫るようなメールが
何通も来たので着信拒否。
メイナの方は、ネズミ講が
摘発されて御用に。
会社も当然解雇。
出所しても被害者たちへの
賠償だったり、被害者たちから
誹謗中傷を浴びせられて
大変だと思う。
娘を転校させることに
なったのは残念だったけれど、
小さい頃から私の実家には
何度か遊びに来ていたので、
近所の子達とはある程度
顔見知りだった。
その子達が快くオトハを
迎え入れてくれたため、
転校後もスムーズに
学校に馴染めたみたい。
オトハは年の離れた弟のことも
凄く可愛がってくれている。
家庭科で赤ちゃんのオモチャか
洋服を作ろうという課題が
出たので、私の母にミシンの
使い方を教わりながら
一生懸命に手作りをしている。
息子もそんな
お姉ちゃんが大好き。
子供たちの仲
睦まじい姿に癒されてる。
それに、最近就職の口が
見つかったので、
2人の子供の学費のために
もうひと頑張りしようと
思っているところ。
終わり