夫
「お前、何度もカフェや
ファミレスで同じ男と
2人きりで会ってただろうが!
どうせ生まれた子供も
ソイツの子だろ!
そんな爛れた女、
嫁になんてしておけない。
オトハの
母親だなんて名乗らせない!
慰謝料を払って出て行けよ!
オトハの養育費も貰うからな!
名ばかりとはいえ、
親なんだからな!」
オトハの母とは
認めないと言った傍から、
親なんだから養育費を払え、
とも言い出す。
無茶苦茶だ。
それに、夫の言う
「浮気相手」に
ようやく私は思い至った。
私
「カフェやファミレス、
ねぇ。
ああ、それは
こちらの弁護士さんよ」
夫
「へ?」
弁護士
「Aカフェと
Bレストランですよね。
主にキヌ子さんの
相談を受けていたのは」
夫
「なんでだよ!?
弁護士なんだろ?
事務所でやれよ!」
弁護士
「たまたま事務の者が
席を外している
日程だったんです。
私は男ですから、
たとえ自分の事務所でも
女性の依頼者とは2人きりで
会わないように
しているんですよ。
事務員がいない時は、
ある程度人目のある
カフェなどを利用します」
ああ、そんな理由が
あってお店で打ち合わせを
してたのか。
確かに、2人きりで
ハニトラっぽいものを
仕掛けられたら、
男性が不利だ。
特に社会的地位が
高い職業にとっては致命的だ。