私
「ごめんね。ママ、SNSを
色々見て回っていたら、
オトちゃんのアカウント
見つけちゃったの。
パパが浮気してるのに
気づいて、でも誰にも
言えなかったんだよね…?」
そう言うと、オトハは
ワッと泣き出した。
オトハは泣きじゃくりながら、
知っていることを
すべて話してくれた。
私が実家に戻っていた期間、
学校から帰ってくると
夫の他に知らない女が
家にいたこと。
夫はその女を「メイナ」と
呼んでいたこと。
私とは離婚し、メイナと
結婚するつもりだということ。
夫
「家のこと?そんなのは
心配しなくていいって。
全部娘がやればいいんだし」
とはっきり言っていたことを、
堰を切ったように
話してくれた。
オトハ
「私、血が
繋がってるのはパパだよね!?
でも、私はママが大好き。
ママと一緒にいたい。
ママとお腹の赤ちゃんを平気で
裏切るようなパパなんて、
大嫌い!」
最後の方は、
もう叫び声だった。
まだたった14歳の子供に、
こんな思いをさせてしまった。
母親として、娘の苦悩に
気づけなかったことが
情けなかった。
それ以上に、血の繋がった娘に
対する夫の仕打ちに
怒りが燃え上がった。
浮気をして夫が私を
裏切ったことにも腹が
立ったけれど、それ以上に
大事な大事なオトハに、
こんな悩みを抱えさせたことが
許せなかった。
なおも泣きじゃくる娘を
抱きしめ、小さい頃
よくしたようにトントンと
優しく叩いた。
こうするとオトハは
ウトウトするのか、
しばらくすると落ち着くのだ。