義母
「アンタたちの
ためじゃないからね！
孫とショウ君のためだからね！」
と義母が叱責しつつ、男衆が
義父の軽トラの荷台へ
2人を放り込んだ。
そのまま我が家へGO！
玄関の前でとりあえず井戸水を
ぶっ掛けて、泥だけは
全て落とさせた。
バスタオルをひっ被せてからは
怒涛の吊し上げ大会。
すでに連絡を入れてあった
ショウパパも勤務先の村役場から
超特急で帰って来た。
うちの息子とショウ君が
幼馴染なように、
夫とショウパパも小学校に上がる前
からの友人だった。
友人と妻の裏切りに、ショウパパも
隠せないほどの動揺を見せていた。
…もしかしたら、
吊し上げ大会に
参加している村人たちの人数に
ビビったのかもしれない。
ショウパパは愛妻家で有名だった。
政令指定都市から嫁いできた
ショウママをとても大事にして、
家事と育児に専念させていた。
パートにも出していなかった。
妻に楽をさせたいと日夜役場で
仕事に打ち込んでいた。
積極的に残業を引き受けたり、
選挙の日の早朝当番を
頑張っていたのは記憶に新しい。
ちなみにうちの息子は
ショウパパのお母さんに
ショウ君と一緒にあずかって
もらっているので、父親の醜態は
目にせずに済んでいる。
こういう時は
ご近所ネットワークって
ありがたいなって素直に思うね。
