上映会を始めると顔面蒼白になる

上映会を始めると顔面蒼白になる義両親 【2話】

 

私としてはカメラマンか

編集者をやりたいと

思っていたのだが、

新卒1年目の私

が配属されたのは

営業部だった。

しかも雑誌に載る

お出かけ情報やグルメ情報

とは全く関係のない

広告枠の営業を

させられていた。

雑誌って記事の合間合間に

広告枠があって、

企業やお店から掲載料を

いただいて広告を

載せている。

一般的には雑誌の売上げで

運営をしていると

思われがちなのだが、

実際には出版社を

支えているのは

その広告費なのだ。

そういう意味では

会社にとってもとても

重要な部署なのだが、

私としては自分が

思い描いていた仕事とは

全く違ったので

大きく落胆した。

しかも広告営業というのは

かなりきつい。

新人の頃はあちこちに

飛び込み営業をさせられ、

足が棒になるまで

頑張っても契約が

取れないということも

ざらにあった。

契約が取れなければ

給料も上がらず

モチベーションも

どんどん下がる、

という負のスパイラルの

中で一年目を過ごした

私は、早くもこの仕事は

向いていないかもと退職を

考えるようになっていた。

編集部に異動させて

欲しいと上司に

直訴したこともあったが