トオル
「それって、
証拠あるの?」
私
「状況から見て、
他に考えられないでしょ」
トオル
「証拠が
無いんじゃなあ。
決めつけられないよ」
私
「状況証拠だって、
証拠の一種なのよ!
あほか!」
いらっと来て、
トオルにも怒鳴った。
本人は全然
応えていない感じ。
ことわざで、
のれんに
腕押しというやつだ。
何でへらへら
できるんだろう。
即座に離婚を
宣告してもいいくらいの
出来事だ。
でも、ちょっと待って…
トオルの、異常に
高いスルースキル。
義母の、あまりに度を
越えた嫁憎しの態度。
この二つ、
何か関係があるのでは?
それこそ証拠はない、
ただの思い付きだったが、
急に興味を引かれた。
離婚はいつでもできる。
トオルが、そんなに
証拠にこだわるなら、
とびきりの物的証拠も
用意してあげよう。