ゴミを送りつけてくる姑に仕返ししてみた【2話】

 

何なんだあれは!?

控室は騒然となり、

父は新郎を呼べ、
 
それとも俺が控室へ
 
乗り込んで話を
 
つけてやるか!?

と大騒ぎし、

母にたしなめられた。

とはいえ母も、

無理はしないでよ

と私に耳打ち。

まったく盛大な歓迎を

受けたものだ。

父は、式が終わって

落ち着いた頃、

夫のトオルを呼んで

事情説明し、絶対に娘を

泣かせてくれるな、

と釘を刺したそうだ。

でもね。

トオルはすっかり

忘れていると思う。

覚えているかも

しれないけど、

どうもぴんと来ていない

節がある。

よく言えば

スルースキルが高い、

悪く言うなら、

事なかれ主義。

嫌な事をきれい

さっぱり忘れてしまえる

それも感心するほど

迅速に。

夫の、あの物忘れの

早さは、

いっそうらやましい。

 

「ねえ、トオル?
 
うちの父から
 
聞いていると思うけど」

 

 
トオル

「え?何だっけ。
 
何かあった?」

 

 

「言いたくないけど、
 
結婚式の事よ。
 
お義母さんに
 
嫌味言われたって話」

 

 
トオル

「あぁ…
 
なんか言ってたね」