私は目を疑った。
何度も画面を見直し、
送信者のアドレスを確認した。
間違いなく、
元夫からのメールだった。
頭の中が真っ白になり、
吐き気すら感じた。
「愛する」だって?
「耐え忍んできた」?
冗談じゃない。
むしろ、やっと自由になれた喜びを
噛みしめていたというのに。
そして、なんという図々しさ。
前日の夜23時をすぎて、
翌朝9時に待ち合わせ時刻を指定して
くるなんて、舐めてんのか。
人の生活リズムを考えろよ。
ふざけんなバカヤロー!
と勢いで返信しそうになった。
けど、こんなのスパムメールだと
思って無視するに限ると
気づいたんだ。
で、もちろん、
翌日は朝の9時に遊園地に
行くはずもなく。
その夜、私は眠れなかった。
ベッドの中で何度も
寝返りを打ちながら、
過去の記憶が次々と蘇ってきた。
元夫との結婚生活。
最初は幸せだった。
でも、次第に亀裂が入り始めた。
義両親からのプレッシャー、
元夫の無関心、
そして最後には浮気。
思い出すだけで胸が痛くなる。
今の夫が隣で静かに
寝息を立てている。
彼の存在が、どれほど私を
支えてくれているか。
元夫とは比べものにならないほど、
優しくて理解のある人だ。