浮気

ロミオメールを送ってくる元夫【1】

 

私はトウ子。

 

32歳、一児の母であり、

幸せな結婚生活を送っている。

しかし、この平穏な日々が

突如として揺らぐことになるとは、

誰が想像しただろうか。

 

それは、ある平凡な

火曜日の夜のことだった。

仕事から帰宅し、夕食の準備を

していた私のスマートフォンが、

軽やかな着信音を鳴らした。

 

何気なく画面を見ると、

見覚えのあるアドレスからの

メールだった。

 

送信者の名前を見た瞬間、

私の体は凍りついた。

 

元夫だった。

 

5年前に別れたはずの、

あの男からのメールだった。

指先が震えながら、

私はメールを開いた。

 

元夫

「タイトル:愛するトウ子へ

月日が経つのは

なんて早いのだろう。

僕たちが最後に会ってから、

もう5年が経ってしまった。」

 

元夫

「君がこの長い年月を、

どれだけ耐え忍んできたことか。

俺には想像もつかない。

寂しい思いをさせて本当にゴメン」

 

元夫

「けれど、俺たちを引き離した

障害はもうなくなる。

大手を振って戻っておいで。

俺がちゃんと受け止めてやる」

 

元夫

「ただ、5年も間が

空くといきなり一緒に暮らすのは

難しいかもしれないね。

まずはデートをしてお互いの近況と

愛を確かめ合おう」

 

元夫

「場所はあそこがいいな。

あの夜景がきれいな

観覧車がある遊園地。

僕らの初デートの場所だよ」

 

元夫

「そこに明日の朝9時に集合。

僕たちの再スタートに

ピッタリの場所だと思わないかい?

俺は5年前をほとんど

見た目が変わってないから、

すぐにわかると思う」

 

元夫

「じゃ、また明日な。お

やすみ(チュ)」