そう言って、バッグから
写真の束を取り出した。
ジュンヤとヒヨリの
密会の証拠写真だ。
私
「ねえ、これ
見覚えあるかな?
素敵なデートの思い出だね?」
ジュンヤ
「な…」
ヒヨリ
「っえ?…え?
ど、どうして…」
私
「そう、全部知ってたの。
最初から」
会議室に
重苦しい沈黙が流れる。
そこへ、ジュンヤの上司が
顔を出した。
上司
「おや?
…何かあったのかな?」
私は上司へ、ゆっくりと
状況を説明した。
ジュンヤの不倫、勤務時間中の
不適切な行動について。
ジュンヤ
「やめろ!
やめてくれ!キヌ子、頼む!」
私
「何をやめるの?
真実を話してるだけよ」
上司の顔が
怒りで真っ赤になっていく。
上司
「君…君達は…!
一体何を考えているんだ!!」
ヒヨリ
「違っ!私…私は…」
私
「ヒヨリさん、
あなたも同罪よ。
他人の夫を奪おうなんて…」
ヒヨリは泣き崩れた。
ジュンヤ「キヌ子、俺は…
本当に反省してるんだ。
だから許してくれよ!」
私「え?許す?
許すって何を許すっていうの?
私の人生を台無しにしたこと?
信頼を裏切ったこと?」
私
「ね、覚えてる?
結婚式の誓いの言葉。
“どんな時も愛し、敬い、
大切にします”って」
ジュンヤの顔が歪む。
私
「私は、その言葉を
信じてたの。
でも、あなたは…」
私は深呼吸をして、
最後の言葉を口にした。
私
「私たち…終わりよ。」
ジュンヤ
「ちょっと待って!
キヌ子!待ってくれ!俺は…」
私
「さようなら、ジュンヤ」