サアヤ
「でも、ジュンヤ
焦ってるんじゃない?」
私
「間違いなく、そうだね。
だって花束だよ?
いきなり(笑)」
その後も、私の変化は続いた。
カフェの仕事にも慣れ、
プライベートでは習い事を
始めたりと、
自分磨きに励んだ。
ある日、ジュンヤの会社の
家族向け
レクリエーションがあった。
社員の家族も参加できる
大規模なバーベキュー大会だ。
私も妻として
参加することになり、
私は奥様方と楽しく
会話を交わしながら、
時折ジュンヤとヒヨリの様子を
観察していた。
二人とも落ち着かない様子で、
目が合うたびに
視線をそらしている。
夕方になり、そろそろ
お開きの雰囲気になってきた頃
私
「ねえジュンヤ、
もう帰る?
それともまだ残る?」
ジュンヤ
「あ、ああ?
そうだな。帰ろうか」
帰り際、ヒヨリが
不自然に近づいてきた。
ヒヨリ
「キヌ子さん、
今日は楽しかったですね。
またお会いしましょう」
私
「ええ、楽しかったわ。
ヒヨリさんも
気をつけて帰ってね」
家路につきながら、ジュンヤの
様子を横目で確認する。
彼の表情には、
明らかな動揺が見て取れた。
ある日の夜の食事中、
ジュンヤは
何度も私の顔を見ていた。
その度に、
私は優しく微笑み返す。
ジュンヤ
「最近の君は本当に
輝いているよ。
俺、改めて君と結婚できて
幸せだって思う」