私
「あはは、そう見える?
ありがとう。
まあ、ちょっとだけ
努力してるのかも(笑)」
同僚たちの反応に、少し
照れくさい気持ちになった。
そんな中、ジュンヤの様子も
少しずつ変わってきた。
最初は気づかないフリを
していたけど、最近では
明らかに私の変化を
意識し始めている。
ジュンヤ
「キヌ子、最近本当に
魅力的だよ。
前から綺麗だったけど、
今は別人みたいだ」
私
「そう?ありがとう。
でも、中身は
変わってないよ。
相変わらずの
おっちょこちょいだしね(笑)」
ジュンヤ
「それも含めて…
なんていうか、
大人の魅力っていうのかな」
こんな会話をしながら、
私の心の中では冷ややかな
笑みが浮かんでいた。
ジュンヤ?
今更気づいても遅いよ。
ヒヨリ
「あれ、キヌ子さん?
お買い物?」
私
「あ、ヒヨリさん。
…ちょっとね」
ヒヨリはジュンヤの
会社の後輩。
そう、彼女が…
ジュンヤの不倫相手。
ヒヨリ
「へぇ…キヌ子さん。
雰囲気変わりましたね。」
私
「そう?ありがとう。
ヒヨリさんは相変わらず
可愛いね」
ヒヨリ
「えへへ、
そんなことないですよ~。
あ、そういえばジュンヤさん
最近どうですか?」
私
「ジュンヤ?相変わらずよ。
仕事熱心で、たまに
遅くなることもあるけど…」
ヒヨリの表情が
一瞬ニヤリとしたのを
見逃さなかった。