ある晩、珍しく
早く帰ってきたジュンヤに
私
「ねえ、最近すごく
忙しそうだけど、大丈夫?」
ジュンヤ
「ああ、
ちょっと大きな
プロジェクトが入ってて…」
私
「そう…体調崩さないでね」
ジュンヤ
「うん、気をつける」
会話はそこで途切れ、
ジュンヤはすぐにシャワーを
浴びに行ってしまった。
何か言い訳めいた感じがして、
モヤモヤした気持ちが残った。
その日から、私の中に小さな
不安の種が芽生えた。
ジュンヤの行動をより注意深く
観察するようになった…
思わず目をやると、
見知らぬ女性の名前で
LINEの通知が…
私の手が勝手に動いた。
画面をロック解除すると、
そこには女性との
LINEのやり取り。
ジュンヤ
「ヒヨリ。
今日も会えて嬉しかったよ。」
ヒヨリ
「私も♪ だけど、
今日は少ししか会えなくて
残念だったぁー
ジュンヤさんのこと、
どんどん…
好きになっちゃうよ…」
珍しくジュンヤが先に
寝ていて、テーブルに
置きっぱなしだったスマホの
画面が突然明るくなった。
ジュンヤ
「俺もだよ。
キヌ子には悪いけどw
君のことを考えると
胸が苦しくなるんだ」
私の目の前が真っ暗になった。
信じられない…。
優しくて、頼りがいがあって、
私のことを大切にしてくれると
思っていたジュンヤが。
私
「なにこれ…
こんなの…絶対に許さない…」
声に出して言ってしまった。
でも、すぐに我に返った。
そして、画面を
スクロールしていく…
ジュンヤ
「今度の3連休にさ、
二人きりで温泉行かない?」
ヒヨリ
「えー!嬉しい!でも、
奥さん大丈夫?
バレないか心配…」
ジュンヤ
「大丈夫だよ。
俺が上手くやるから。早く君と
二人きりになりたいよ…」