カズヤ
「パパ、俺とこの人、
ちょっと目のカンジ似てない?」
タツヤ
「パパ、俺は耳のラインが
似てる気がするけど、どう思う?」
と話しかけていた。
リュウヘイは
反応に困った様子だった。
すると、カズヤが
ハッとしたように叫んだ。
カズヤ
「俺たち、父親に
似ている所があるってことは、
だ!」
タツヤ
「うん、どうした!?」
カズヤ
「将来、デブって
バーコードに禿げちまう!!!」
力強く叫ばれた
「デブって
バーコードに禿げちまう!!!」
の言葉に、会場の空気は一気に
弛緩した。
あちこちからクスクスアハハと
笑い声も聞こえる。
リュウヘイは
必死に笑いをこらえながら、
リュウヘイ
「カズヤ君もタツヤ君も
わかめのお味噌汁が
大好きじゃないか。
だから大丈夫だと思うよ。
もし心配なら、
サラダに海藻を入れたり、
揚げ物を減らすといいかもね」
とアドバイスをしていた。
そして私の方に、
リュウヘイ
「あと5年もすれば
お酒が飲めるようになるから、
飲み過ぎないように
常々言い聞かせよう。
酒は飲んでも飲まれるなってね」
と笑顔を向けてきたので、
私も笑って頷いた。
私
「そうね。
それから父親に似て、
浮気者になっても困るから、
そのあたりの教育も
改めてしっかりしないとね」
私がそう言うと、双子はさも
心外だという表情をしてみせた。