カズヤ・タツヤ
「「うちの母に
何か用ですか?」」
マサアキは怪訝そうな顔をして
双子を見つめた。
面会交流も拒否していたマサアキが
息子たちの顔を最後に見たのは、
病院の新生児室のはず。
我が子の実感を抱けなくても
無理はないのかもしれない。
タツヤ
「パパ?
このオジさんと友達なの?」
と、リュウヘイを
振り返ってタツヤが尋ねた。
ちょっと子供っぽいかも
しれないけど、息子たちは
親しみを込めてリュウヘイのことを
「パパ」と呼ぶ。
もちろん、学校の友達の目が
ないところ限定で、だけど。
それを聞いたマサアキは、
マサアキ
「パッ!wパパ!ww
パパって呼んでんのかよ!
そんなにでかい図体で!
その年で!
ぷくくくく!wwwww」
と息子を
馬鹿にして大笑いをしだした。
これに堪忍袋の緒が
切れたのがリュウヘイだった。
リュウヘイ
「それがどうした!
お前は『パパ』とも
『お父さん』とも、一度も
呼ばれたことがないだろうが!」
大音声だった。
会場が静まり返ったが、
タツヤがすかさず声を上げた。
タツヤ
「マジで!?じゃあ、
この人が俺たちの父親なの!?」
カズヤ
「うわあ!初めて見た!
写真撮って、俺たちとどれだけ
似てるか確認しよーぜ!」
といきなりマサアキに向けて
スマホをパシャリ。
そしてリュウヘイの所に駆け寄り…