結婚式は本当に身近な親族と
親族並みに濃い付き合いの
友人数人だけの
小規模なものだった。
披露宴からは仲の良い友人や
会社関係者、
遠縁の親族も招待した。
ここで思わぬ相手に
出会ってしまった。
元夫のマサアキだ。
マサアキも私が
高砂に座っているのに
気づいて驚いていた。
私の名前は上も下も平凡で、
特に下の名前は同世代では
同じクラスに2~3人くらい
被るのも当たり前って言うくらい
ポピュラーなものだったから、
気づかなくても仕方がない。
お色直しのタイミングで、
リュウヘイに元夫がいると
打ち明けると、
非常に驚いた顔をしていた。
リュウヘイ
「あの人、
俺の妹の旦那の親戚なんだよ。
血縁としては近くないんだけど、
親族の集まりなんかだと良く
顔を合わせるメンバーの1人でさ。
気づかなくて、ゴメン」
私
「私だって、元夫の名前や
容姿を伝えていなかったし、
気にしないで。
というか、寧ろゴメンネ」
とにかく、向こうから何かを
仕掛けてこない限りは
極力当たり障りのない対応を
しようということになった。
けれど、私たちの相談は
無駄になってしまった。
お色直しも終わり、
高砂へ順番にお客様が
いらっしゃる歓談タイム。
マサアキがリュウヘイに
絡んできたのだ。
お酒が大分入って、
気が大きくなったようだった。