その後もたびたび飲みに
誘われるようになった。
仕事の悩みや部下との
コミュニケーションの仕方と
いった話題から、プライベートな
話に移るまで、
さほど時間は掛からなかった。
私が
「ああこの人、上司としても
素敵だけど、1人の男性としても…」
と思うようになった頃、
リュウヘイから
交際を申し込まれた。
もちろん、私が双子を抱える
シングルマザーと
いうのも承知の上。
もうね、失ったと思っていた
胸のトキメキが蘇った感じだった。
社内では交際がバレないように
気を遣ったけど、なんとな~く
察してくる人もいたみたい。
徐々に公認カップルのように
なっていったので、私は
リュウヘイの分のお弁当も
用意するようになった。
1人分も2人分も大差ないから。
それから、私の実家にも
リュウヘイは
顔を出すようになった。
息子たちは数百種類のモンスターが
登場するゲームが好きで、
リュウヘイも子供の頃に
そのゲームに夢中になっていた口。
あっという間に
打ち解けてしまって、
3人とも私なんか
眼中にないって感じにまで(笑)
さすがにそれは寂しいぞぉ~って
軽く拗ねてみたら、
リュウヘイはゲーム機を揃えて
4人でオンライン対戦ができるように
環境を整えてくれた。
リュウヘイからは結婚の話は
出ていたのだけど、
前回の結婚で苦い思いをした私は
踏ん切りがつかなかった。
けれど、
彼は着実に外堀を固めていった。