離婚後、息子たちの体がある程度
丈夫になって熱を出す頻度が
下がってきた頃に、
私は正社員の働き口をみつけた。
忙しかったけれど
両親のサポートもあって、
上手く職場に馴染むことができた。
息子たちが小学2年生くらいのこと。
私は初めてチーフとして
プロジェクトメンバーを
まとめることになった。
ただでさえ忙しかったのに、
さらにどっさりの仕事量を
抱える羽目になった。
専業主婦の母が、
母
「家のことと
双子ちゃんのことは私に任せて!」
って言ってくれるから
甘えられていたけれど、
それでも息子の寝顔しか
見られない日々が珍しくなく
結構行き詰っていた。
管理職になった人なら
わかると思うのだけど、
まとめ役って言うのは前線で仕事を
自らの手で処理するんじゃなくて、
上手く業務が回るように
割り振るのが仕事。
それに気づけなかった。
毎日毎日残業で
遅くまで残っている私を見て、
上司が声を掛けてくれた。
…この人が今の夫・リュウヘイ。
リュウヘイ
「トウ子さん、
最近なんでそんなに仕事の量が
多いか、ちゃんとわかってる?」
私
「え…?昇格したから仕事の量が
増えたんですよね?」
リュウヘイ
「あ~…。
それはそうなんだけど、チーフの
役割って理解してる?
自分で仕事を抱えるんじゃなくて、
チームのメンバーの適材適所を
見抜いて、仕事を割り振ること。
そしてその仕事の進捗や課題を
把握することだよ」
私は頭をガツンと
殴られたような衝撃を受けたよ。