夫
「…すまなかった。
…申し訳ない」
と、何度も謝り
再構築を迫る夫にうんざりした。
私
「無理!
あなたの謝罪は何の意味も価値もない。
あなたは私たちにとって
その辺の石ころと同じ程度か
それ以下の価値しかない。
人ですらない石ころの言葉など、
私たちには届かないのよ。
…離婚して!」
とバッサリ切った。
夫
「石ころ…」
と絶句した夫は、
娘にすがるような視線を送った。
だが娘の顔は
私でも見たことのないような
能面のようになっていた。
感情を読み取れない
表情が却って娘の憤怒を
物語っているようだった。
まこ
「もう2度と
顔も見たくない!」
この一言が決定打になった。
リビングの隅にうずくまって
グチグチと未練やら後悔を
呟いていたようだが…
私たちは身支度を整え
気分転換に外出をした。
数時間後に帰宅すると、
夫の姿は消えていた。
私たちはほんの少しだけ
心がざわついたものの、
翌日からはこれまで同様、
母娘2人の気楽な
女だけの暮らしを楽しんだ。