浮気

10年間私達を騙し続けた夫を無視し続けた結果 【13話】

 

親友に務めて冷静に言い放ち、

家から放り出した。

親友は今度は顔を

青白くしていたけど、

私の決意はさらに固まった。

一方、夫の方も別の日に家に来た。

…いや、帰って来たって

言うべきなのかな?

短期間で随分と

みすぼらしくなっていた。

リビングに姿を現した途端、

娘が絶叫してパニックになった。

 

まこ

「お母さん、泥棒!逃げよう!!」

 

娘の様子からも

変貌ぶりは伝わるだろうか。

娘の言葉を聞くなり、

夫はベソベソと泣き出した。

 

「泥棒だなんて…。
 
まこ…俺だよ、お前のお父さんだよ。
 
わかるだろ…」

 

目の前の出来事に

頭が追いつかないのか、

娘は目を白黒させていた。

そんな娘を尻目に夫は話を続けた。

 

「本当に悪かった。
 
もう2度とこんな馬鹿な真似はしない。
 
心を入れ替えるから
 
頼むから離婚だけは勘弁してくれ。

どれだけ軽蔑してくれても構わない。
 
一生償い続けるから。
 
まこが成長するまで見守りたいんだ。
 
娘には父親が必要だろ?」