親友に務めて冷静に言い放ち、
家から放り出した。
親友は今度は顔を
青白くしていたけど、
私の決意はさらに固まった。
一方、夫の方も別の日に家に来た。
…いや、帰って来たって
言うべきなのかな?
短期間で随分と
みすぼらしくなっていた。
リビングに姿を現した途端、
娘が絶叫してパニックになった。
まこ
「お母さん、泥棒!逃げよう!!」
娘の様子からも
変貌ぶりは伝わるだろうか。
娘の言葉を聞くなり、
夫はベソベソと泣き出した。
夫
「泥棒だなんて…。
まこ…俺だよ、お前のお父さんだよ。
わかるだろ…」
目の前の出来事に
頭が追いつかないのか、
娘は目を白黒させていた。
そんな娘を尻目に夫は話を続けた。
夫
「本当に悪かった。
もう2度とこんな馬鹿な真似はしない。
心を入れ替えるから
頼むから離婚だけは勘弁してくれ。
どれだけ軽蔑してくれても構わない。
一生償い続けるから。
まこが成長するまで見守りたいんだ。
娘には父親が必要だろ?」