浮気

10年間私達を騙し続けた夫を無視し続けた結果 【4話】

 

翌日は土曜日で休みだったが、

夫は休日出勤と言って

午前から出かけて行った。

私は娘と一緒に買い物へ。

そこで親友と

バッタリ出会った。

彼女とは中学生の時から仲が良く、

今でもたまにお茶や

ショッピングをする仲だ。

 

 

親友

「あら、キヌ子。久しぶりね」

 

 

と声を掛けられて振り向いたのだが、

次の瞬間、

娘が私の腕を強く掴んだ。

身長差があるので

表情はよくわからない。

 

 

「あら、久しぶり。元気だった?
 
まこちゃん、ご挨拶は?」

 

 

「…コンニチハ」

 

 

娘の様子がおかしいので

サラッと世間話をして

家路についた。

もう、この段階で

薄々気づいてしまった。

娘は明るくて礼儀正しい子だ。

私の友達や娘の同級生の

お父さん・お母さんに会った時は、

言われるまでもなく

自分から挨拶をする子だ。

 

 

「まこちゃん。
 
もしかして、あの女の人なの?」

 

 

と尋ねると、娘は大粒の涙を

ぽろぽろこぼしながら、

コクンと頷いた。

 

 

「あの人、おととい、
 
お父さんと一緒に…」

 

 

「うん。そっか。
 
…ねぇ、
 
アイスでも食べて帰ろっか!」