翌日は土曜日で休みだったが、
夫は休日出勤と言って
午前から出かけて行った。
私は娘と一緒に買い物へ。
そこで親友と
バッタリ出会った。
彼女とは中学生の時から仲が良く、
今でもたまにお茶や
ショッピングをする仲だ。
親友
「あら、キヌ子。久しぶりね」
と声を掛けられて振り向いたのだが、
次の瞬間、
娘が私の腕を強く掴んだ。
身長差があるので
表情はよくわからない。
私
「あら、久しぶり。元気だった?
まこちゃん、ご挨拶は?」
娘
「…コンニチハ」
娘の様子がおかしいので
サラッと世間話をして
家路についた。
もう、この段階で
薄々気づいてしまった。
娘は明るくて礼儀正しい子だ。
私の友達や娘の同級生の
お父さん・お母さんに会った時は、
言われるまでもなく
自分から挨拶をする子だ。
私
「まこちゃん。
もしかして、あの女の人なの?」
と尋ねると、娘は大粒の涙を
ぽろぽろこぼしながら、
コクンと頷いた。
娘
「あの人、おととい、
お父さんと一緒に…」
私
「うん。そっか。
…ねぇ、
アイスでも食べて帰ろっか!」