だがそれ以上に
「悪い知らせを届けてごめんなさい」
と娘に言わせてしまった
自分に腹が立った。
それと同時に、長年連れ添った
私を裏切った上、
両親の結婚記念日を
祝おうとした優しい娘を
こんなにも悲しませた夫に
腸が煮えくり返る思いだった。
娘を抱きしめ、
髪を撫でてあやしていると
スマホにLINEの通知が。
夫からだった。
空気の読めなさに舌打ちを
したくなる気分だったが…
娘
「お父さんから?」
私
「うん。今日は
お夕飯要らないから、
先に寝ててだって」
娘
「そっか。お父さんに
会いたくないから良かった…」
娘はまた私に甘えるように
抱き着いてきて、
泣きつかれたのか
そのまま眠ってしまった。
娘をベッドに寝かせた後、
私も精神的な疲れから
泥のように眠ってしまった。
翌朝目覚めると、
既に夫の姿はなかった。
私は慌てて娘を起こし、
学校に送り出すとすぐさま
ネットで調べて評判の良い
興信所を探した。
幸い、2駅ほどの距離で
興信所が見つかり、
さっそく依頼した。
離婚にせよ再構築にせよ、
うやむやにはできないからだ。
出費は痛かったが、
調査結果が出るまで1カ月ほど
かかるとのことだった。
1カ月何もダンマリなのは
依頼者としても不安だろうと
1週間ごとに途中経過報告を
くれるとのことだった。