私
「は…?」
受付女性
「一週間前に
退職届が提出され、
受理されております」
私
「え…聞いてないですけど!?」
驚きすぎて声が裏返った。
受付の女性は無言だ。
困惑している様子が伺えた。
まあ、彼女に言っても
仕方がない。
大声を出した事を詫びて、
電話を終えた。
うちを飛び出した日、
退職届を提出したと
いう事だろうか。
じゃあ、あのプライド
剥き出しだった
「外資系エリートだぞ!」
発言は、
何だったのだろうか。
シンジが分からない。
二重人格を疑うほど、
彼の行動は一貫性が無くて、
突拍子もない。
何の相談もなく、あれほど
自信をもっていた外資系の
製薬会社勤務を、
私と口論したくらいで
投げ出すなんて…
彼の何もかもが
信じられなくなった。
潮時かな…ではなくて、
もう潮時だという
気持ちになった。
彼とやっていく
自信が無くなった。
翌日、私は同僚ナミに
声をかけて、食事がてら話を
聞いて欲しいと持ち掛けた。
彼女の方も、
私に話したい事が
あるという。
私達は、退勤後に居酒屋で
腰を落ち着けた。
私
「先に、私に言いたい事を聞くわ。何?」
ナミ
「この写真…」
ナミは数枚の写真を
出して来た。
一目見て、あごが
落ちそうに…
シンジと知らない女性…
なんで、彼が女性の肩を
抱いて繁華街を
歩いているの?