シンジ
「仕事に打ち込む
女性は素敵だな。
俺は自立型の女性が
タイプなんだ」
そんな会話の流れから、
私はシンジを
意識するようになった。
彼も彼で、私を
気に入ってくれたらしく、
パワフルに
口説いてくれたっけなぁ。
結婚まで話が行った時も、
お互いの仕事について
話し合った。
私は、自負している通り
今の仕事を天職だと
信じていた。
幸いにも勤め先は
女性が多く、産休育休の
制度はばっちり。
産後のゆったり
復職大歓迎という雰囲気が
功を奏してか、
女性の離職率は低い。
私も、ここでなら
最後の最後まで
頑張れると思っていた。
私
「そういうわけだから、
私は専業主婦に
向いていないと思うし、
定年まで勤めたいの。
何なら、定年後の
嘱託再就職も
視野に入れてるわ」
シンジ
「いいね!
俺、そういう仕事に
燃える女性は大好きだ。
専業になってくれなんて
言わない、むしろ
夫婦共働きを頑張ろうって、
こちらから
提案したいくらいだった」
シンジはずいぶんと
理解があった。
家事分担の話も、
さくさくと進んだ。
彼は実家暮らし
だったけれど、彼母が
男子厨房に入らずを、
完全に否定するタイプで、
家事は一通り教え込まれたとも聞いた
これ以上の結婚相手は
考えられない!
理想ぴったり!
私はすっかり舞い上がった。