けれど、中途半端にはぐらかされて
しまった好奇心は却って
むくむくと
娘の中で育ってしまったようだ。
シートに戻るなり、
アミ
「アンナ先生って
ケンジ先生の彼女なの?
それともアミのパパの彼女なの?」
と再び言葉を選ばない
質問をぶつけた。
これにはその場にいた夫3人衆も、
ママ友も思いっきりお茶を
吹き出しそうになった。
アンナ先生
「え?え?違うよっ!
先生には彼氏なんていないよ~」
アミ
「ふぅ~ん。やっぱり
ケンジ先生が彼氏なんだ!」
娘、アンナ先生の弁明など
聞いちゃいない。
しかし、鋭い。
アミ
「パパ、フラれちゃったね。
残念賞!」
とニコニコ顔で夫に報告。
アンナ先生の狼狽ぶりから、
ケンジ先生との交際は本当だと
男衆は察知。
自分こそがアンナ先生
唯一無二の恋人だと信じたい
浮気者たちは、いきり立った。
ナズナパパ
「ケンジ先生が
アンナ先生の彼氏だなんて
信じられるか!」
夫
「保育士同士で職場恋愛!?
許されないだろ」
リリカパパ
「フラれたとは!?
アンナ先生はこの前、俺だけだって
囁いてたんだぞ!」