私
「市販品はダメだって
捨てたのはあなたでしょ?
前に捨てたお好み焼きに
入っていた紅しょうがも、
かけていたソースも、無添加の
オーガニック
食品だったんだけど!」
夫
「それは、その、少しなら…」
と形勢が悪いのを感じたのか、
歯切れの悪い口調で
抵抗をしようと試みていた。
私はすかさず、
私
「健康にかける
あなたの情熱は素晴らしいわ!
私、妻として全力であなたを
応援するって決めたの!」
そうやってキラキラした目で
見つめてやったら、
夫は何も言えなくなっていた。
「さしすせそ」なしの料理は
さらに1カ月半ほど続いた。
その間、塩味のしないラーメンや
野菜出汁の味しかしない
ポトフなどを提供し続けた。
もちろん、私のものには
しっかりと調味をしている(笑)
キッチンに立つ者の特権じゃ(笑)
煮出した塩はどうしたって?
海水1Lから10g採れるか
採れないかくらいだから、
すぐになくなるよ。
そんなに頻繁に
海に行くわけじゃないし。
そして、その間、私は以前から
感じていた夫の違和感に
ついても調査を進めていた。
粗方事情を把握した頃に、
ついに夫は音を上げた。
夫
「我儘を言うようで
申し訳ないんだが、
明日はカレーが食べたいんだ」
私
「カレー?ああ、カレーってさ
スパイスの種類って
インドだと家庭ごとに
違うらしいよ?」