作る工程ごとにスマホで
写真を撮影したり、
出汁を取った後の出がらしを
残しておいたりと、
証拠を残すようにした。
お味噌汁ひとつとってもそれで、
他のどの料理だって同じく、
やらないと難癖を
つけられて捨てられる。
キッチンに立ったことが
ある人ならわかるだろうけど…
ちょっとしたことでも
料理の合間に挟むことによって
時間を食うんだよね。
片付けだって
うかつにできないし。
ただでさえ全部
手作り要求された上に、
証拠を残しつつ…。
この状況がいかにストレスフルか
想像して欲しい。
だから私も溜まりに
溜まった鬱憤を、
発散させることにした。
仕返し決行の日。
私はいつものように
キッチンに立ち、
夕食の支度を始めた。
続いて、夫も帰宅。
夫
「あ~、腹減った。
夕飯の献立は何?」
私
「玄米のご飯、
お味噌汁と、蒸したタラだよ」
と答えて、テーブルに並べた。
盛り付けはシンプルながら
キレイにできていたと思う。
夫は喜んで、好物のタラに
早速口をつけた。
夫「お前、…味付けは
どうしたんだ?
塩の味すらしないぞ…」
と動揺する夫に私は答えた。