挨拶もそこそこに、
夫は娘の学級だよりのコピーを
手渡した。
本物の学級だよりは私が抱えて、
先生たちから
見えるようにしていた。
一応、証拠保全はしてある、
原本を私達から取り上げても
無駄だという牽制のつもりだった。
結論から言うと、
その必要はなかった。
サッと目を通しただけで、
校長も教頭も真っ青になっていた。
校長
「なんてことだ…。
しかし、この字は…」
教頭
「間違いなく、コンドウ先生の
筆跡ですよ。
生徒に対して
許されることではありません!」
2人からは呆れと
怒りが感じられた。
娘も教室から呼ばれた。
校長
「その、この手紙以外に、
コンドウ先生から
何かされたとかないかい?」
教頭
「言いにくければ、
後で教えてくれてもいいのよ?」
教頭がフォローに入ってくれる。
モモカ
「何度か2人きりで
会おうと言われたり、
体育倉庫に呼び出されそうに
なったりしたことはあります」
校長は眉間を指で押さえ、
教頭は口に手を当てた。