夫
「モモカ、学級だよりは
ゴミ箱にあった数枚だけか?」
夫がモモカの目を
まっすぐに見て問う。
私
「もう本当のことを
話して大丈夫よ。
パパはモモカに
怒っているわけじゃないから」
そう私も口添えすると、モモカは
黙って部屋に入っていった。
そしてファイルを手に戻って来た。
モモカ
「ママがお掃除の時に
見つけてくれると思って、
何枚か破いて
ゴミ箱に入れておいたの。
他の物は
全部このファイルに取ってあるの」
そう言って、4月の3週目から
欠かさず毎日集めたファイルを
私たちに差し出した。
モモカは私にSOSを出していた。
見過ごさずに
良かったとは思ったが、
もっと早く
気づいていればと私は後悔した。
翌日、今度は夫が学校に電話をし、
本日伺いたい旨を伝えた。
応対をしたのはまたもや
ハタナカ先生だったが、
夫が
モモカとコンドウ先生の件を話すと
ハタナカ
「実は昨日、
お母様とのお話を横で聞いていて
変だと思っていました。
すぐに校長と教頭、
学年主任に話を通します」
私たちのために
場の準備を整えてくれた。
私と夫はすぐに学校に向かった。
応接室では校長と教頭がすでに
待機していた。