ある日を境にいきなり変わった娘…【8】

 

モモカ

「どうしたらいいのか、

誰にも言えなかったの!

 

先生にも学級だよりをママたちに

見せちゃダメって言われて…!」

 

モモカは自主的に

隠したわけではなかったのだ。

 

なんと担任から

口止めをされていた。

基本的にモモカは大人の言いつけを

守る、素直で真面目な子だ。

 

そこを逆手に取るだなんて、

私は許せなかった。

 

私は、娘の制止を

振り切って学校に電話をした。

電話に出たのは

ハタナカ先生だった。

 

ハタナカ

「あ、モモカさんの

お母さん!お久しぶりです。

 

最近、モモカさんが

授業中も元気がないので、

少し気になっていたんですよ」

 

私は学級だよりの件で

まだ気持ちが高ぶっていたが、

ハタナカ先生の優しい声で

少し落ち着きを取り戻した。

 

「あの、コンドウ先生は

お手すきですか?」

 

ハタナカ

「はい、大丈夫そうですよ。

少々お待ちください」

 

少し保留音が流れた後、

コンドウ先生が出た。

 

コンドウ

「もしもし、

お電話代わりましたー!」

 

いかにも体育教師らしい、

はきはきとした明るい声だった。

 

私は声が震えないように

注意しながら切り出した。

 

「…あの!

学級だよりの件ですが」

 

コンドウ

「え?学級だよりですか?

 

…モモカさんが話したんですか?」

 

後半、急にトーンが落ちた。

その落差に私の背筋が寒くなる。