モラハラ

高熱の私に酒をぶっかけてきた 【12話】

 

私はそのまま帰宅したが、

元同僚がその後の話を教えてくれた。

まず、社長が呼び出したのは

夫と浮気相手の女性。

 

社長の厳しい追及に、2人は

浮気の事実を認めるしかなかったそうだ。

 

こうして無事に離婚が

成立するかと思われたが、

夫が離婚を拒否しだした。

 

「このままだと
 
慰謝料が支払えない」

 

というのが夫の主張だった。

業を煮やした私は、調停へ持ち込んだ。

 

夫は色々理由をつけて

離婚を渋っていたけれど、

調停員も最終的には

私の言い分や慰謝料・養育費の請求を

全面的に認めてくれた。

 

それでも夫は粘った。

わざわざ実家に来たのだ。

それも、義両親を連れて。

 

「俺、社長にバレたせいで
 
減給処分になってるんだよ!
 
頼む、減額してくれ!」

 

慰謝料と養育費を減らしてほしいと

懇願してきたのだ。

夫は出張と偽って浮気をして、

おまけに社内の風紀を乱した

ということもあって、浮気相手共々

処分を受けていた。

 

「それもこれも全部
 
身から出た錆じゃない。
 
私は1円たりとも減額する気はないので、
 
自分で何とかしてよ」

 

義母

「そ、そこをね、キヌ子さん。
 
何とかならないかしら?」

 

義父

「一度は夫婦の契りを
 
交わした仲なんだから…」

 

と、義父母は寝ぼけたことを言ってきた。