上司
「君、僕から見ても
キヌ子さんの主張が
正しいように思えるのだが。
君はどう思うかね?」
夫
「すみません…。つい出来心で…」
これだけの証拠があったせいか、
夫はもう言い逃れはできなかった。
上司はさらに上役へと
事の顛末を報告しに、
応接室を出ていった。
上司の姿が見えなくなると、
夫は途端に変貌した。
夫
「おい!俺の会社での立場を悪くして
そんなに楽しいかよ!」
私
「誰のせいだと思ってるの?
嘘ばっかりついてさ。
義両親にも嘘をついていた
みたいじゃない。
うちに怒鳴り込んできて
大変だったんだから!」
夫
「嘘じゃねぇーし!
親が勝手に勘違いして暴走しただけだ!
俺は…」
私
「あー、はいはい。
そうやってまた、【俺は悪くない】
って言うつもりなんだ。
義両親の性格は
あなたが一番よく知っていて、
どう仕向ければ私に
怒りが向けられるか、
全部わかっててやったくせに」
夫
「それより!俺の会社での
立場が悪くなったら、お前も
ただじゃ済まないんだぞ!?
わかってるのか?」
私
「んー?
別にどうってことないでしょ?
【浮気されて離婚したんだって】
ぐらいは噂になるだろうけど、
基本、私は被害者だし」