私は会社の応接室で
待機させてもらっていた。
一向に自分の仕出かした事を
認めない夫を、上司が連行してきた。
夫
「あ!キヌ子!お前、
会社まで巻き込んで…!」
上司
「私が上司として
君たちの仲人を務めたんだ。
何も不思議はないだろう」
私を責め立てようとする夫を、
上司が制してくれた。
上司
「キヌ子さん、君の夫は
浮気の事実はないと言っているんだが…。
一応、僕としても
双方の意見を聞きたいと思うんだ」
私
「もちろんです。ではこちらを」
そう言って私は、
例の浮気旅行の写真に加えて
それ以前からの夫と浮気相手の
デート風景の写真を何種類も、
応接室のテーブルの上に並べて見せた。
仲良く腕を組むもの、
路上で口づけ、
そういう宿泊施設に
出入りするものなど…。
実は、これらの写真は
例の元同僚が2人の後を尾行し
撮影してくれたものだ。
これほどの収穫があるとは
思っていなかったので驚いた。
探偵さながらの腕前に、正直
彼女は会社を辞めて興信所に
勤務すべきだと思ったほどだ。
言い逃れが出来ない証拠の数々に、
上司は
上司
「こ…れは…」
と絶句。夫は真っ青になった。