モラハラ

高熱の私に酒をぶっかけてきた 【8話】

 

私は会社の応接室で

待機させてもらっていた。

一向に自分の仕出かした事を

認めない夫を、上司が連行してきた。

 

「あ!キヌ子!お前、
 
会社まで巻き込んで…!」

 

上司

「私が上司として
 
君たちの仲人を務めたんだ。
 
何も不思議はないだろう」

 

私を責め立てようとする夫を、

上司が制してくれた。

 

上司

「キヌ子さん、君の夫は
 
浮気の事実はないと言っているんだが…。

一応、僕としても
 
双方の意見を聞きたいと思うんだ」

 

「もちろんです。ではこちらを」

 

そう言って私は、

例の浮気旅行の写真に加えて

それ以前からの夫と浮気相手の

デート風景の写真を何種類も、

応接室のテーブルの上に並べて見せた。

 

仲良く腕を組むもの、

路上で口づけ、

そういう宿泊施設に

出入りするものなど…。

 

実は、これらの写真は

例の元同僚が2人の後を尾行し

撮影してくれたものだ。

これほどの収穫があるとは

思っていなかったので驚いた。

 

探偵さながらの腕前に、正直

彼女は会社を辞めて興信所に

勤務すべきだと思ったほどだ。

 

言い逃れが出来ない証拠の数々に、

上司は

 

上司

「こ…れは…」

 

と絶句。夫は真っ青になった。