やっと解放されて、私と母はぐったりだ。
父が帰ってきて、事のあらましを聞くと
呆れかえり、玄関に塩を撒いてくれた。
義両親の態度にも腹が立ったので、
私は徹底抗戦をすることに決めた。
もう、夫にかける情けなど
砂粒1つほどもない。
私は、自身も夫の浮気で
離婚した元同僚に連絡を取った。
彼女とは私が退職してからも
ちょくちょく連絡を取り合っている。
元同僚というより友人に近い。
私の元同僚なのだから、現在も
夫と同じ会社に勤めている。
つまり、夫とも顔見知り。
離婚に関わるノウハウを
教えてくれたのも彼女なのだ。
ついでに言うと、夫の動向が怪しいと
連絡をくれたのも彼女。
そして、浮気相手が私の退職と
ほぼ入れ違いに入社した女性社員だと
いうことも突き止めてくれた。
だから私は、梅酒ぶっかけ事件が
起こる前から着々と
離婚の準備に取り掛かれた。
私は彼女のアドバイスに従い、
会社に内容証明を発送した。
夫の上司は内容証明が届いたことに驚き、
夫に事情を問い質した。
この上司は私たちの仲人を
務めてくれた方だ。夫は上司にも
夫
「キヌ子の奴が
悪ふざけをしてるんですよ」
と言って、
言い逃れをしようとしたらしい。