モラハラ

高熱の私に酒をぶっかけてきた 【7話】

 

やっと解放されて、私と母はぐったりだ。

父が帰ってきて、事のあらましを聞くと

呆れかえり、玄関に塩を撒いてくれた。

 

義両親の態度にも腹が立ったので、

私は徹底抗戦をすることに決めた。

もう、夫にかける情けなど

砂粒1つほどもない。

 

私は、自身も夫の浮気で

離婚した元同僚に連絡を取った。

彼女とは私が退職してからも

ちょくちょく連絡を取り合っている。

 

元同僚というより友人に近い。

私の元同僚なのだから、現在も

夫と同じ会社に勤めている。

つまり、夫とも顔見知り。

 

離婚に関わるノウハウを

教えてくれたのも彼女なのだ。

ついでに言うと、夫の動向が怪しいと

連絡をくれたのも彼女。

 

そして、浮気相手が私の退職と

ほぼ入れ違いに入社した女性社員だと

いうことも突き止めてくれた。

 

だから私は、梅酒ぶっかけ事件が

起こる前から着々と

離婚の準備に取り掛かれた。

 

私は彼女のアドバイスに従い、

会社に内容証明を発送した。

夫の上司は内容証明が届いたことに驚き、

夫に事情を問い質した。

 

この上司は私たちの仲人を

務めてくれた方だ。夫は上司にも

 

「キヌ子の奴が
 
悪ふざけをしてるんですよ」

 

と言って、

言い逃れをしようとしたらしい。