モラハラ

高熱の私に酒をぶっかけてきた 【1話】

 

私はキヌ子、32歳。

現在はスーパーでレジや

品出しのパートをしている。

 

結婚前は中小の商社で働いていた。

1つ年上の夫とは会社の先輩後輩だった。

 

結婚後しばらくは私も

会社勤めを続けていたけれど、

夫の希望で妊娠を機に退職。

 

出産後、息子を保育園に

預けられるようになってから

パートに出て家計を支えている。

 

家計を支えているとは言うが、

夫の収入は悪くない。

むしろ同年代と比べたら

多いくらいだと思う。

 

けれど、夫は収入の大半を

自分で使い込んでおり

私と息子の生活費には

最低限程度しか渡さない。

 

…まあ、美容院代や化粧品、

洋服などの分も

ちゃんと含まれているので、

経済的〇Vというほどではない。

だから、多少マシだとは思っていた。

 

結婚前は頼りがいがあると思っていた夫。

実はかなりのモラ体質だというのは、

息子が生まれてから気づかされた。

 

家事育児は基本的に私に丸投げ。

今後、息子が大きくなっても

こんな調子なら教育にも良くない。

そう思っていたところに決定打が起きた。

 

その日、息子は風邪で

発熱して3日目だった。

病院から薬を貰っていたけど、

効き目が切れるとまたぶり返す。

私はずっと看病にあたり、

パートも休んでいた。

 

ようやく息子の容態が

落ち着いてきたと思ったら、

私に風邪が移ってしまった。

 

熱は38度後半から40度手前。

解熱剤を飲めば微熱程度に

下がるけれども、そんな状態で

動いても拗らせるだけだ。