義母
「本当に
申し訳ありませんでした。
この子がこの家に置いている
私物は、全部処分してもらって
大丈夫ですから…」
話を聞くと、
元々義両親にねだって
買ってもらったものが
大半だという。
いい年をしてすねかじりで
コレクションを集めているのも
みっともない。
だから、ここでスッパリ
諦め切れるように、
私のほうで処分してもらえると
ありがたいとのことだった。
カナメ
「お、俺の…
俺の渾身の…
コレクションがぁ…」
と未練がましく呟いていたが、
義父の一睨みで縮こまり、
カナメ
「お手数ですが、
処分をお願い…します…」
と消え入りそうな声で
伝えてきた。
そして義両親からガッチリと
脇を固められて帰って行った。
捨てるのにもお金、
かかるんだよなぁと
思っていたところ、
以前カナメが
自慢していたのを思い出した。
カナメ
「このプラモも、
この鉄道模型も、
どれもレアなんだぜ？
この1角だけで
一財産だと思ってもいいんだ」
と。
ならば、と
ネットオークションに
出品してみることにした。
まずは、カナメの
コレクションを丁寧に整理し、
一つ一つ写真を撮影。
状態を細かくチェックし、
できるだけ詳細な
説明文を書いた。
