ウイナと呼ばれた浮気相手は、
そんなカナメの腕に
絡みつきながら、ニヤニヤと
私を小馬鹿にしたように
値踏みしていた。
ウイナ
「ふ~ん…w
カナメから聞いてはいたけど、
本当にダッサイ女~。
こんなののどこがいいのか
わからないけど、
結婚してもらえるだけ
ありがたいと思いなよww」
キクノ
「…は?」
呆然とする私に、ウイナは
容赦なく言葉を重ねる。
ウイナ
「あなたは名前だけ
奥さんの、実質家政婦さん。
私は可愛がられる愛人。
夜のほうは私が担当だから、
私の子どもも育てて
もらっちゃおw
そしたら、この家も土地も
うちの子の物に
なるんだよねw」
その言葉に、私の中で
何かが壊れた。
これまでの関係、
築き上げてきたはずのものが、
一瞬にして崩れ去る。
怒りと悲しみ、そして屈辱感が
私の全身を駆け巡る。
彼氏どころか両親が
残してくれた家まで
狙っているのか、この女。
頭に血が一気に駆け上がって
いくのがわかる。
怒りと恐怖が入り混じった
感情が全身を駆け巡る。
キクノ
「勝手に私の家に
上がり込んで、よくそんなこと
言えるわね!
自分のことをどれだけ
偉いと思ってるの?」
声が震えているのを必死に
抑えながら、私は言い返した。
ウイナ
「こっわ~いww
そもそも、カナメが
招き入れたんだから、
何の問題もないでしょ~?w
あんたこそ何様ぁ?ww」
ウイナは余裕綽々とした態度で
答え、さらに挑発するように
一歩近づいてきた。