カナメ
「お前っww
本当に鈍感だよな。
ウイナが初めてじゃないぜ?w
今更過ぎるだろ。
そんなことでイチイチ
腹を立ててたら、俺の嫁なんて
務まらないぞww」
カナメの言葉の一つ一つが、
私の心に深く突き刺さる。
「鈍感」「今更」「イチイチ」
これらの言葉が、
私たちの関係がいかに
軽んじられていたかを
痛感させる。
キクノ
「今、なんて?」
信じられない思いで、
私は聞き返す。
カナメ
「心配すんなってww
俺はお前と
ちゃんと結婚してやるからさ。
俺、俺に尽くす従順な女と
結婚するって
前から決めてんだよw
で、遊びはよそで
奔放な女とするってなwww
合理的だろ?」
カナメの「合理的」という
言葉に、吐き気を覚える。
これが彼の言う「愛」なのか。
これが私に対する
「思い」なのか。
キクノ
「…何を言ってるの?」
絞り出すように問う私に、
カナメはさらに
追い打ちをかける。
カナメ
「はーっ!ww
キクノは物わかりが悪いなw
お前は俺にベタ惚れで、
俺と結婚したいんだろ?
だったら多少の火遊びくらいは
大目に見ろって言ってるわけw
そうしたら俺もお前を
正妻として
尊重してやるからさ~」
表情が抜け落ちていく私とは
正反対に、カナメの顔は
喜色満面だった。
まるで素晴らしい提案を
したかのように、
得意げな表情を浮かべている。