そんな私の考えが
予想済みだと
いわんばかりに、
義母はじろっと
一睨みして来た。
義母
「本家ご挨拶に
伺ったとき、
見たと思います。
男女みだりに関わらず。
これが家訓です。
朱子学をご存じ?」
私
「…えっと」
学生時代に授業で
聞いた気がするんだけど、
思い出せない。
義母にまた、
学が無いと鼻で笑われた。
義母
「孔子が説いた学問、
儒教を元にした教えです。
当家は朱子学を重んじる
本家にならい、
男女を厳しく分けています。
食事会を
思い出せばわかるはず」
食事も何もかも、
男女別だった気がする。
つまりこれは、
夫に頼るなと
言いたいのかな?
えー…
義母
「察しは
ついたでしょう。
いいですか。
夫は次の家長、
当代は私の主人、
あなたには舅。
男には男の役割、
女には女の役割、
それぞれを厳格に
分けているのが
当家の家風ですからね。
相談事は、必ず私に直接、
申し出るように。」