泣いている妹の肩を抱き、
手の甲をさすりながら
ナツ
「痛いの痛いの、
とんでけ」
と、繰り返していた
ハルは姉に抱き着いて、
わんわん
大泣きし始めていた。
その姿が胸をよぎり、
私は口を閉ざした。
沈黙をいい事に、
義母はにやにやしながら
義母
「嫌だなんて、
生意気を言ってないで、
親戚の力になりなさい」
私に無理やり要求を
のませた。
その姿はとてもじゃないが、
同居が必要な、
不安で胸いっぱいの
リウマチ患者には
見えなかった。
そもそも、
病院通いしている
様子がなく、
薬を服用している姿も、
一度も目撃していなかった。
これだけ元気なら、
たとえ砂漠で置き去りに
なっても、元気に一人で
生きていけるんじゃないかと
思うほど。
結局は、
引き受けるしかなかった。
この頃から、
夫の行動が
怪しくなっていた…