何を言っても
聞いてくれないので、
私が折れるはめになった。
ひどい態度だ。
同居を頼み込んできた時の
夫
「苦労はかけない。
困った事があったら
何でも相談に乗るし、
おまえの望む通りにする。
キヌ子だけが頼りなんだ」
などと言い、必死の
顔つきで頭を深く下げた、
あの様子とは
全く違っていた。
親子そろって
二重人格かと思ったほどだ。
同居は、
幸先の悪いスタートだった。
その後も、
義母の無理難題は続いた。
他には親戚からの強引な
お願いもあり、私は
あっというまに疲れ果てた。
親戚の方は、
一度は断ったのだが、
その後が悪かった。
部屋で姉妹が寄り添って、
しくしく泣いている姿を
見た時、また何か
言われたのかと
絶望的な気分になった。
私
「二人とも、
どうしたの?」
ナツ
「おばあちゃんに、
ばかって言われたの。
ハーちゃんは、
手を叩かれた」
びっくりした。
確かに、ナツは
妹の手の甲をさすっている。
自分も同じ目に遭ったから、
痛みが分かるのだろう。