私
「あの、…お義母さん?
どういった事ですか?」
義母
「お茶を入れるから
手伝ってと言ったときよ。
ナツもハルも、
ぴくりとも
しなかったじゃないの。
あんた、女の子に
どういう躾をしてるのよ」
義母が怖い顔をする理由は、
娘が二人とも手伝うと
言わなかったからのようだ。
何を言っているのか、
全く分からなかった。
まあ確かに、
まだ3歳のハルはともかく、
ナツは小学校一年生だ。
家の手伝いという感覚を
持たせるべき年齢と
言えるかもしれない。
だとしても、お茶出しに
駆り出すには早すぎる。
私
「それは
気が付きませんで、
すみません」
義母
「何がすみませんよ。
今からでも、あの子達に
手伝うよう言いなさい」
義母は語気を荒くして
命令してきた。
やむなく、リビングに戻り、
二人を呼んだ。
ハルまで呼ぶ必要はないと
思ったのだが、
見学させるという
趣旨かとも考えた。
義母
「お茶が入ったから、
持って行って」
義母がそう言うと、
ナツが手を伸ばした。
そのとたん、
何と娘の手を
ぴしりとはじいた。